これまで住んだ家には全て名前を付けてきた。
そもそもはオトノ様が独身のころ、一人暮らしを始めたワンルームをオトノ様の名前を付けて「○○邸」と呼んだのが始まり。私が住んだ会社の寮にもやっぱり私の名前に邸付きで呼んだ。結婚して最初に住んだ賃貸は地名にちなんで「ゾノ邸」、今の家は「クンダリ邸」と言う。これまでに比べると、どちらかといえばマイナー(田舎?)なところへ移ったので「とうとう○○くんだりまで来てしまったか」とつぶやいたのが由来。
いろいろ迷っていたけれど、このたびとうとう引越しを決めた。フランス人の次にあの町家に入ることにしたのだ。だから、その町家は「パリ邸」と言う。
生まれてこの方何回引越しをしただろう。幼少期を過ごした家→小学校から中学時代の家→今の実家→就職後姉と2人暮らしをしたアパート→会社の寮→移転した寮→ゾノ邸→クンダリ邸、そしてパリ邸。都合9回。特に就職後は2〜3年で転居している。そしてパリ邸ですら終の棲家ではないだろう。まさに転がり続けるローリングストーン。苔むさないままどこへ行く? どうしてこんなに流浪の民?
華やかな名前とはうらはらに、パリ邸への道は遠い。クンダリ邸の始末、保育園の転園、オシメ様への影響・・・クリアしなくてはならない問題はたくさんある。今まさにパリへの旅が始まった。