クンダリ邸の情報が公になって3週間が経過しようとしている。が、問い合わせはまだ一件もない。サイクル君によれば、10月頃からは来春に向けて不動産市場が活気付くシーズンであるということだが、一方で彼は集客には時間がかかるとも言う。最初のうちこそ気をもんだが、こっちの在庫は1つ。1人の買い手が出てこればよいわけで、まぁ気長に待つしかないか、と悟りの境地に至る。
・・・至ったのに、この心の平安をかき乱すような事件が勃発。クンダリ邸より上階の部屋が、数百万円安い価格で売りに出されたことがわかったのだ。上階なのにこんなに安いなんて、クンダリ邸がぼったくりみたいに見えてしまうやん。どないしよ。大慌てでサイクル君に連絡すると、「おとり広告」かもしれないという。目を惹く物件(実体がない)をネットに載せて、問い合わせを受けたら「それはつい先日売れちゃいました。でも、同じような物件でこんなのがありますよ」と本来売りたい物件へ誘導するという手だという。そんな話は聞いたことがあるけれど、あくまでもタッチの差で間に合わなかっただけなんだと性善説で理解していた私はおめでたいのだろうか。・・・ていうか、そんな実体のない広告も載せちゃえるの、Yahoo不動産?! しっかりしてよー。そうこうしているうちに、今度はクンダリ邸より数階下の物件が同じ値段で、別の不動産会社のネットに載った。なんじゃそら? これもおとり広告なの? いや、結局それで誰かの目を惹いてきて、クンダリ邸に誘導してくれるんだったら、それも良しと考えるべきかしら。
私たちが騒ぐのでサイクル君はいろいろなだめにかかる。オトノ様もなんだかんだと調べた結果、上階は実体があることがわかった。下の階の物件は掲載した不動産会社曰く、「クンダリ邸を紹介するつもりで、階数を間違えた」とやらいうことだった(ホンマかいな)。
中古不動産業界って、ホントなんでもありだ。フツーに魑魅魍魎が跋扈しておられる。日常生活と密接につながっているものであるのに、どうしてこう「素人が参入するとマズいんちゃうか」みたいな印象があるんだろう。ちょっとヘコんでしまうけど、本来の目的は住宅ローンから自由になることだった。もとより儲けるつもりはない。上階安値はもらい事故にあったようなものだ。それでクンダリ邸の値段が下がってしまうなら、そこはそれ、淡々と受け入れるしかあるまい。相場なんて自分で決められるもんじゃなし。
・・・と、またしても新たな悟りの境地へ。諦めなのか、悟りなのか。まぁいいや。クンダリ邸での深まる秋をじっくり楽しもう。
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