悪目立ち

「アンタの目の前の電話、イライラするんですけど」。部長からメールが飛んできた。確かに、私がリジー氏との打合せから戻ってきてかれこれ20分。その時にはもう話していたから、少なくとも30〜40分は続いていると見てよいだろう。私と向い合わせに座っているテクニカルノックアウトさんは、一生懸命受話器を握りしめ、まだ終わりそうにない。
またか、と思う。どうしてこの人はいつもそうなんだろう。休み明け月曜日の午前中。毎日のように出張で不在の部長が珍しく席にいる日。「長電話するヤツほど仕事ができない」が持論の部長がいる日。こんな時に限って長電話。会話を聞いていれば、大体何の件で電話をしているのかわかる。長電話になるのも仕方がないとも思う。しかし、今日、このタイミングで話さなくてはならないほど緊急性のあるものではないということも、また確か(←ここ重要)。・・・もうちょっとうまく立ち回ればいいのに。
先日のMr.リジー歓迎会の日、定時後すぐ部長が「ほな、6時半には出るで」と声をかけた。みんながそれぞれ仕事をまとめ、片づけをして、さぁ行くぞ、となっている中、一人店開きをしたまま「先行っててください」。1階でしばらく待ってもまだ来ない。ひとつ遅れのエレベーターで降りてきたA・ゴンザレスに聞くと「あ、今コップ洗ってはりました」。・・・なんで、こんなとき、部長とMr.リジーを待たせて、コップなわけ?
要領よくなれとは言わないが、どうしてこんなに悪目立ち? 本人は実にマジメにやらねばならないことを一生懸命(←これがやっかい)やっているだけだ。でも、実際以上に鈍くさく見えてしまう。なんと損な。
やらねばならないことではあるが、いつやってもかまわないことをなぜ「その時」を選んだかのようにやってしまうのか。コップは明日洗え、電話は一旦切って日を改めてかけ直させろ。こんなバカ正直なマジメさは、害にしかならないような気がする。