似たもの同士

仕事始めの日、夕方は互礼会と決まっている。
先日管理職研修の打ち上げをしたのと同じ、本社食堂に集まってのささやかな宴会。もともと本社には三十数人しかいないし、その大半が40、50のオッサンたちばかりで、こういった宴会時はいつも居場所に困る。今日もぼーっとしているうちに、気がついたら一人でビールをなめていた。
本社で一番若いジョシであるゴンザレスは、あっちこっちのオッサンたちからお呼びがかかり、紙コップ片手にうろうろしている。派遣のOさんは別の部署の派遣社員とアツく語り合っている。テクニカルノックアウトさんは、他の女子社員とウーロン茶とスイーツでちまちまお話。まぁ、こんな機会に同じ部署の人間としゃべったってしょうがない。とはいえ、別の部署といっても・・・見渡しても、ジミー氏が一升瓶を抱きしめてたり、ミセス・ノォは孫ができたばかりのバコケン氏と子育てトークしてたりするだけ。あえて割り込んで話をしたい人なんて誰もいない。こうやってポツネンとしているってことは、逆に言えば私と話がしたい人もいないわけか、と自虐的に笑う。
社交的な人であれば、こういうとき何も考えずにふらりと輪に入ってあたりさわりのない話をし、またふらりと輪から出て行くんだろう。他部署の人間が入り乱れての立食パーティ、普段しゃべらない人と親睦を深めればよいとはわかっていても、普段しゃべらない人となんか何を話していいのかわからない。やっぱり「お天気」のこと? エレベーターの数秒間ならともかくね。
周囲が盛り上がっていると、居場所がない。自分からその盛り上がりに入っていけない・・・まさにオシメ様はこの性格を受け継いだんだなぁとしみじみ。なんて損な似たもの同士。これからオシメ様はどう育つんだろう。時計の針が定時過ぎるのを今か今かとにらみながら、苦いビールは続いていく。随分ネガティブな年明けになっちゃった。もう! こういうのを改めて行こうとしてたんじゃなかったっけ。・・・結局私のスタートラインはここなんだ、と思う。