プチプラ

普段の買物は駅前のショッピングセンターで済ませているため、川べりにあるそのショッピングセンターに来たのは久しぶりだった。いわゆる大型ショッピングモールほど混雑しておらず、ゆったりとしている。人ごみが苦手なオシメ様のお気に入りで、彼女はしょっちゅう出向いているようだ。今回は金欠のくせにアウターが欲しいオシメ様につきあってやってきたというわけ(金づるとして)。

百均、ユニクロ、GUにスタバ。およそショッピングセンターにあるものはほぼそろっていて、オシメ様の年頃向けの洋服屋もいくつかあって、1階フロアに集まっている。

まずはぐるりと一周。ダウンではなく、丈は短め、薄い色、というオシメ様のイメージに合うものがあるかと、全部の店をざっくり見て回る。どちらかというとプチプラファッションの店が多い。

服は最近買ってない。百貨店に入っているブランドの服の値段を見て飛び上がり、黒のリブタートルなんかユニクロで買ったところで見た目そんなに変わらないんじゃない?というスタンスでいる。下着はもっぱらヒートテックだし、ブランドスーツのインナーにユニクロのカットソーを着ることもあるし、頭から足の先までユニクロという日だってある。プチプラも使いようだ。しかし。ダウンやフリースはともかく、オシメ様がイメージしているような「きれいめアウター」になると話が違う。

テイストはそれらしく作ってあるものの、生地が全く違う。ベルベット風の生地を使ったコートがあったが、黒や茶色という暗い色味のものでも、妙にてらてらと光っている。手触り然り。新品にもかかわらず、シワがついている。化繊100%なんだろう。他のコートも似たり寄ったりだった。若ければ、そんな素材感なんて若さのパワーでふっとばしてしまえるのだ。流行の服を安く手に入れ、とっかえひっかえファッションを楽しむことの方が、若い子には重要だ。しかし、お高くとまるつもりはないが、どうしてもチープな印象はぬぐえない。安いとは言ってもアウターは数千円はする。果たしてこれにそれだけの価値はあるのだろうか。

店にはそんな服がびっしりと吊り下がっている。大量に作られ、冬が終わろうとしているこの時でさえも、こんなに売り場にひしめいている。このまま大量に廃棄されていくのだろうか。購入されたものも、短期間の流行りの後に次の流行のものに買い替えられていくだろう。

サステナブルとは…。柄にもなく神妙な気持ちになった。